ウェン・スペンサー「ティンカー」読了

シフトを一昨日読み終えてから、すぐ手近にあったウェン・スペンサーの「ティンカー」を読み始めた。さっき読み終えたところだ。
話としては、ドキドキワクワクのストーリー、あれよあれよといろんな人に振り回される身長150センチの天才少女の主人公、ファンタジーとテクノロジーの混在する世界とどれもおもしろかった。
表紙とあとがき、ストーリーのダイジェストからジュブナイル小説だろうと考えていたが、はじめから妙に性描写が多くてなんかヘンだなと思った。話が進むにつれて性描写がどんどん激しくなって、中出し!とか獣姦!?が書かれるにおよんで、少年少女向きの本ではないことがようやくわかった。それともアメリカではこれが子ども向きのなのだろうか?
いったいどんな層を想定して書かれているのだろう?
まさか自分のような30過ぎのおたく?いわれてみれば獣姦のシーンとか鬼の親玉とか、みょうにジャパニメーション、というか「うろつき童子」?みたいな。それが乙女チックなエルフの王子様が登場するファンタジーと同じ地平で書かれていてとても奇妙な感じがした。
東茅子のあとがきによると、作者は日本のアニメファンでもあるそうだからうなずけなくもない。ここに登場する鬼とか天狗とか狐が、背景から切り離されて、アニメキャラのように感じてしまうのは、日本のゲームにオークとかゴブリンとかピクシーが登場したときにアメリカ人が感じているであろうものと同じものなのだろうか。

毎日小説を読んでいると、ほかのことは何もできなくなってしまう。
普通の小説は1時間に60ページくらいしか読めない。会社への往復に1時間、家に帰ってから3時間、1日4時間で240ページ。500ページくらいの本はどうしても丸2日かかってしまう。楽しいからいいのだが、ニーと時代に気散じとして過ごした時間のツケが後でまわってくることは、働くようになってから思い知らされた。そういう時間の過ごし方をしていていいのか大いに疑問だ。