昨日のエリック・シュミットの言葉

昨日、カーネギー財団主催の昼食会の基調講演で、GoogleCEOのエリック・シュミットが言ったこと。

MySpaceの会員が10億人に達すれば、MySpace独自の政府ができるのだろうか?」とSchmidt氏は述べた。「10億人が集まれば独自の国を作ってもよいという規則がどこかにあるだろうか?私は聞いたことがない。ここでは皆さんがこのような問題について議論するきっかけになればと思うだけだ」-Eric Schmidt's

mixiの会員が1千万人に達したら、mixi会員による自治体ができるのだろうか?
仮に笠原氏が知事として立候補して、自分が投票するかどうかと聞かれたら、
自民党民主党か、東国原氏かという3択しかなければ東国原氏に投票する、
そういう投票の仕方にしかなりえないように思う。

たぶん、シュミットが考えているのは、知事のような人的中心を持たない、
ネットで合意が形成されるような自治形体だろう。

たしか、ブルース・スターリングの短篇で、コミュニティの構成員全員が常にオンラインで、
24時間あらゆる事項について多数決に参加することを迫られる、
完全民主主義社会が背景になった短篇があったと思うが、
シュミットが夢想する社会はそれに近いものだと思う。

たぶん、携帯を使えばそういうものは実現できなくもないだろうし、
携帯の普及率が7割を超える日本こそ、その実験に相応しいと思う。

いまのところ、日本のネット業界の人で、
エリック・シュミットなみに心をときめかすようなことを言う人に出会ったことがない。
もしかしたら、テレウェイヴの社長とか、そういうビジョンを持っているのかもしれないけれど、
初めてインタビューを読んだときは、ちょっと電波きちゃってるんじゃないかと思ってしまった。

僕は51歳で死ぬ。残された時間は12年… (Road to CEO):NBonline(日経ビジネス オンライン)

誰か特定の人が豊かになるとか、そういうんじゃなくて、
新しい社会のあり方を夢想できなくなりつつある。
新橋で働き始めてから、じょじょに夢が見られなくなっている。

なんか、最近は身の回りでも夢をかなえる手帖とかつけてる人とか多い。

たとえば、怠け心が否定され、ゲーム感覚で仕事ができる、
バリュープレスみたいな職場で仕事をしているような人たちは、
何かしら別のあり方を夢見てゴリゴリ働いているのだろうか?

「ゲーム感覚で仕事ができる」--業務システムに魔法をかけたバリュープレス - CNET Japan

自分だったら、絶対にこんなシステムで働きたくない。

テクノロジーは、管理することも、管理から解放することも両方を可能にする。
ネットレイティングスの荻原さんが紹介していたのだが、テクノラティの動画ランキングで1位になったビデオを見た。

荻原さん的には、「EPIC2014」以来の衝撃だったらしい。
たしかに。
久しぶりに、夢のある方向が見えたような気がする。