いまから2年前くらいに

上海の縫製工場をまわるツアーに参加した。
百貨店とか若手のバイヤーとかの見学会だったので、普通の人が見ることのできないような、工場の最深部を見ることができた。
その時の感想は、意外と悪くなかった。
噂では、中学生が働かされていたり、3勤交代制泊まり込みの劣悪な労働環境ということだった。
たしかに、どう見ても中学生だよねという若い子どもが働いているものの、ごくごく少数で、もしかしたら童顔の高校生なのかなというレベルだった。
少し前に児童労働でグローバルにたたかれた外資系企業の視察があって、児童労働は禁止という下請け条件を守るようかなり厳しく監視をされているらしい。
百人前後の小さな工場から、数千人の大きな工場までまわったが、上海近郊というせいもあってか、労働条件は日本の工場とそんなに変わらなかった。
雑誌の特集で読んだ、シャープの亀山工場とかと同じレベルだと思う。
食堂があって、宿舎があって、制服があって、娯楽がどれくらいあるのかはわからないが、何も考えずに10時間とか同じ作業をするだけなら、とくに劣悪な環境という感じではなかった。