もしあなたの家の天井から水が漏れ始めたら

ネットを検索すると、賃貸物件で水道管をつまらせて漏水、階下の住民に迷惑がかかって火災保険から賠償というケースをちらほらと見かけます。でも、私が経験したのは、その逆のケースで、水道管が老朽化していて、大家さんから賠償を受け、火災保険から見舞金をもらったというケースだったので、何かの肥やしになるかもしれないので書いておきます。
某日某所。私の家(賃貸マンション)で、突然天井から水が滝のように漏れ始めました。
慌てて、不動産管理会社に電話。管理会社経由で工務店の人が来てくれて、天井をバリバリ破壊して、水道管が外れていることを確認。
たまたま家に1人で、かつ小さな子どものそばを離れるわけにはいかなくて、工務店の人が来るのを待って、階上の人に連絡して流しを使わないように言っていただきました。でも、本来は、被害が拡大する前に、もっと早く階上の人にお願いして水を使わないように言うべきでした。
原因は、水道管の老朽化。排水管だったようです。これが生ゴミをつまらせてとかって話になると、つまらせた人に賠償責任が生じるわけですが、老朽化なので、大家さんが補修してくれることになりました。
あたりまえといえば当たり前ですが、事故発生の時点で誰に責任があるのか明確にしておいたほうがよいでしょう。
この時点で実害がなければ、天井を大家さんが直してそれでおしまいですが、残念ながら家財の浸水という実害があったので、これを誰に賠償してもらうかという問題が残りました。
とくに何も考えずに、火災保険がどうにかしてくれると思って、24時間受付の窓口に電話をしてみると、詳しいことは翌日の営業時間でないとわからないとのこと。
ただし、現場の写真を撮っておくように言われたので、デジカメでパシャパシャと写真を撮りました。
穴の開いた天井とか、被害にあった家財とか。
翌日、火災保険の営業時間に電話をしていろいろ聞いてみてわかったのは、私の掛けている火災保険は、私が原因で大家や隣家に被害を及ぼした場合の保険であって、被害にあった場合の賠償は、老朽化を放置した大家さんの責任なので、大家さんに請求すべきであり、その場合、通常は示談になるということでした。
保険会社が支払えるのはせいぜい見舞金で、それは保険会社の基準*1で計算した被害額の3割ですということでした。示談は自分でやってくださいとも。
示談って、よく交通事故で噂を聞く示談交渉をしなきゃいけないってことですか!
((((;゜д゜)))ガクガクブルブル というのが正直な感想でした。
そうはいっても、実際に被害があって、自分で補填するにはかなりの額になってしまうので、意を決して大家さんと交渉することにしました。
示談交渉をどう進めたかは、長くなるので省略しますが、はじめに落としどころを考えて、そこへ居たる道筋を計算しておくこと、感情的にならず、悪意のないことを伝え、被害状況の正確な報告をして、被害額についての考え方をきちんと説明するということだと思います。ここでこちらに落ち度がないにもかかわらず、相手側に明確な敵意があった場合は、面倒ですが戦う決意が必要でしょう。幸い我が家の大家さんは話のわかる大家さんだったので、3週間くらいで話がまとまって、こちらの作成した示談書に署名捺印いただくことができました。
示談書のひな形は、交通事故で使われるテンプレートをDLして、文書を状況に合うように変更しました。
これで、被害に対する賠償は目処が立ったので、この後は見舞金の請求のために保険会社の用意した書式に従って、報告書や申請書もろもろを作成します。
このとき、被害にあったものが修理可能であれば、修理見積を、修理ができないのであれば、全損修理不能証明書を発行してもらう必要があります。
本来は、この修理額もしくは全損の被害額が=賠償額になるのですが、その金額が高額だった場合、大家さんとの交渉で、今後の賃貸生活が円滑にならないことも考えられますので、どういう金額なのか、実際の被害の程度に応じてよく考える必要があります。
保険会社から支払われる金額は、示談書で取り決められた金額が=被害額になるわけではなく、被害にあった物件の販売当時の金額から、保険会社独自の計算式に従って、経年、同じ用途のものの現在の価格等を考慮して決められるようです。
この金額については、保険会社との間で齟齬がないように明確にしておくべきです。
私は、金額が振り込まれる直前まで、賠償額の3割が=見舞金だと思い続けていました。
保険会社は、振り込みの日付の明確な返答があるまで、こまめにせっつくことをオススメします。
私の場合、「今月中には」という言葉を信用して、振り込まれるまでに事故が起こってから3ヶ月かかりました。

*1:この基準は保険会社によって若干異なるようです…