スノウ・クラッシュは、そのポップなスタイルとはうらはらに、セカンド・ライフが実現するテクノロジー世界の階級社会について扱っている。

この時代の階級社会は、同時に歴史や民族の問題が消えないということも意味している。
主人公ヒロとレイヴンはヒロインY・Tをはさんで対立関係にあるが、彼らの父親は第二次世界大戦でともに日本軍の捕虜となり、収容所を脱出したという過去を持つ。
ヒロは日本人の母親と黒人でアメリカ軍人の父親の間に生まれ、軍人の子どもとして基地のある街を転々としながらもハッキングというテクノロジーを身につけることで、自分の居場所を作ることに成功する。それがメタヴァースであり、光ファイバーネットワークに構築されたストリートでは、ヒロは自分の家を持ち、有名なクラブに出入りすることもできる。
だが、現実ではニッポニーズのスーツを着たハッカーやビジネスの世界になじめず、ピザの配達や捨てられた映画のシナリオをゴミ箱からあさったり、パーティーのオーガナイザーをして暮らしている。
レイヴンはアリョーシャン列島の先住民族アレウト族の末裔で、アメリカの核実験により父親が被爆し、自分たちの暮らしを奪ったアメリカに核を落として復讐したいと考えている。レイヴンのバイクのサイドカーにはポータブル核兵器が搭載されている。
#眠いので続きはまた次回。次回こそ「スノウ・クラッシュ」に描かれたメタヴァースを忠実に書き出したいと思う…。